薬剤師の職場といえば、調剤薬局やドラッグストア、病院などがありますが、企業内診療所で働いている薬剤師もいます。
企業内診療所は、薬剤師の職場として評判が悪くないので気になっている人も多いでしょうが、求人数も少なく、具体的な職場環境が分かりづらいです。
そこで、この記事では企業内診療所で働く薬剤師の仕事内容や勤務時間、給与について詳しくまとめています。
企業内診療所で働くメリットやデメリット、求人の探し方もまとめているので、ぜひチェックしてください。
目次
企業内診療所って？まずは基本情報を確認！
企業内診療所とは、企業内に設置されている医務室や保健室を指しており、企業の福利厚生の一環として運営されています。
医師や看護師が勤務しており、薬剤師も一緒に働いています。
まずは、企業内診療所で働く薬剤師の仕事内容や労働時間について見ていきましょう。
特徴
企業内診療所は小規模で運営しており薬剤師が少ないという特徴があります。
企業内診療所では他のドラッグストアや薬局からヘルプを受けられないので、病欠をしづらいなどのデメリットがあります。
薬剤師が少ないので、知識や経験がないと企業内診療所では働くのに苦労します。
求人ではある程度の調剤経験のある薬剤師が求められるため、一度薬剤師やドラッグストアで経験を積み、落ち着いた職場で働きたいといった薬剤師におすすめの職場です。
仕事内容
企業内診療所で働く薬剤師の業務内容は、医師の処方箋に従っての調剤業務や薬剤管理、企業の従業員の健康管理など多岐にわたります。
企業内での診療のため、そこまで難しい処方箋が出ることはなく、風邪や胃痛など、体調不良を訴える従業員への対応がメインです。
生活習慣病やうつなどのメンタルヘルスに関する患者もいます。
患者は職場で働いてる大人で、一包化や粉薬などの面倒な作業も少ないので、薬剤師への負担は少ない職場だと言えます。
労働時間・残業時間
企業内診療所は診療時間が企業の就業時間内と決まっているので、定時で帰ることができ、ほとんど残業もありません。
また、企業が休みの日は当然診療所も休みになるので土日や祝日もきっちり休めます。
また、年末年始や夏休みなど長期休暇をまとめて取りやすいのも薬剤師の職場では希少です。
ドラッグストアや病院勤務と違い時間的な余裕をもって働けるので、仕事とプライベートを両立したい人や子育ての時間を取りたい女性の薬剤師にはおすすめの職場です。
給料・平均年収
企業内診療所で働く薬剤師の平均年収は500万円で、パートや派遣で働く場合時給2,000円程度になっており、これは薬剤師が働ける職場の中では平均程度になっています。
ドラッグストア勤務の薬剤師は年収で企業内診療所勤務を上回っており、それに加え残業代も発生します。
ですが、その分、勤務時間は不確定で、業務自体も忙しいです。
高待遇であることより、職場環境や労働時間が良いことを重視する人は企業内診療所で働くことを検討しましょう。
企業内診療所で働くメリットとデメリット
ここまで、企業内診療所で働く薬剤師の基本情報をまとめていきました。
ここでは、企業内診療所で働く場合の具体的なメリットとデメリットをご紹介します。
企業内診療所勤務を考えている薬剤師は目を通しておきましょう。
メリット① 給料が良い
企業内診療所で働いている薬剤師の給料は良く、調剤薬局や病院勤務の薬剤師より高い給料をもらっています。
他の職場に比べて忙しくなく、余裕を持って働ける職場の上、給料も良いのでおすすめの職場です。
また、ほとんど定時で帰ることができ、土日祝も休めるので、時間給に換算しても給料が高いです。
調剤薬局や病院で働いている薬剤師は、企業内診療所に転職することで給料をアップさせられるので検討してみてください。
メリット② 福利厚生が充実している
企業内診療所で働く薬剤師は企業所属扱いになるので、住宅手当や家賃補助など企業の充実した福利厚生を受けられます。
また、産休や育休などの制度も利用できるので、女性も安心して働けます。
企業内診療所は通勤に困らないように立地にも配慮しているの駅前やバス停前など通勤しやすい立地をしています。
社内託児所や保育所も利用できるので、子育てと仕事を両立したいと考えている薬剤師は企業内診療所で働くのがおすすめです。
メリット③ イベントのチケットがもらえることがある
企業によってはいろいろなイベントに関わっており、そのつながりでチケットが回ってくるのですが、そのチケットが企業内診療所勤務の薬剤師にも回ってくることがあります。
ですので、無料で芝居やイベントを楽しめます。
企業内でも診療所に勤務している人は優先順位が高いので、良いチケットが回ってきやすいです。
イベントが好きな人はチケット目当てで企業内診療所に勤務するのを検討してみてください。
デメリット① 患者さんは企業内の従業員だけ
企業内診療所はその企業の従業員の体調管理を目的として設置されているので、患者は企業内の従業員に限られます。
そのため、企業と雰囲気が合わなかったり、従業員との関係が悪くなると働き辛くなります。
薬剤師としての作業量は多くなく、単調と言え、人によっては退屈だと感じるので、忙しくないのが苦痛に感じる人には不向きです。
また、基本的に風邪や胃痛など一般的な病気の患者が主なので、薬剤師として積極的にキャリアを重ねていきたい人にはあまり向いていません。
デメリット② さまざまな医療関係者がいるので、良好な人間関係を保つのが大変
企業内診療所では、薬剤師以外にも医師や看護師などさまざまな医療関係者が一緒に働いているので、人間関係に問題があると困ります。
薬剤師の数も少なく狭いコミュニティを形成しているので、一度関係がこじれると逃げ場がなく、一気に働きづらい環境になります。
薬剤師が働く職場は、人が少ない職場がほとんどで人間関係に困る人も多いです。
現在の職場の人間関係を理由に転職を考えている人は、企業内診療所勤務の薬剤師は避けるようにしましょう。
企業内診療所で働いている人ってどんな人？どんな人におすすめ？
企業内診療所は残業が無い、土日祝が休める、長期休暇を取りやすいと仕事と家庭を両立できる職場なので、出産や子育てが一段落ついた女性薬剤師におすすめの職場です。
また、現在の職場が体力的、精神的に辛い新卒3年目以降の薬剤師が、QOLを考えて転職してくる場合も多いです。
企業内診療所が設置してある企業に家族や親戚が勤めていて、そのつながりでその企業内診療所で働くケースもあります。
プライベートや家庭を重視したい人や、その企業にゆかりがある人は企業内診療所勤務がおすすめです。
企業内診療所以外でおすすめの職種は？
企業内診療所は必要な薬剤師が多くても3人程度で募集も少ないので、求人を見つけるのは難しいです。
ここでは企業内診療所以外の企業で働ける薬剤師の職場をまとめました。メリットとデメリットをまとめたのでチェックしましょう。
製薬企業のMR職
製薬会社のMRは自社製品を医師などに売り込む営業職で、薬の知識はもちろん、医師相手のコミュニケーション能力などが要求されます。
MRとして働くメリットは、薬剤師の職場の中で年収が高いことです。
40代には年収が1,000万円に届くので、給与目当てで職場を探している人にはMRがおすすめです。
デメリットは、職場環境が過酷で忙しく、体力的精神的に負担がかかる職場なことです。
自分の体力に自信がある人はMRで働くのを検討してみてください。
企業内診療所の求人で、年齢不問の求人はある？効率よく求人を探す方法
企業内診療所の求人は希少で、企業サイトの求人募集ページを探しても見つかりません。
また、その中から、自分にあった求人を探すのはとても難しいです。
ですので、ここでは企業内診療所の求人を探す具体的な方法についてまとめました。
転職サイトを活用する
企業内診療所の求人を探すには、薬剤師向けの転職サイトを利用し、転職エージェントに頼るのがおすすめです。
少ない求人を探すことができ、知識やノウハウがある転職エージェントに相談することで一人で転職活動をするより負担を減らせます。
また、転職の際の条件を転職エージェントと話し合って決めていくことで、自分の希望を客観的に把握できます。
面接サポートも受けられるので初めての転職で勝手が分からない人は転職サイトを利用しましょう。
企業内診療所の求人を探すなら、必ず利用したい転職サイト3選
転職には、複数の転職サイトを利用した方が希望した求人を見つけられる可能性が上がりますが、無数にある転職サイト全てを利用するのは手間がかかりますし管理も煩雑になります。
この章では、企業内診療所の求人を探す際に必ず利用するべき転職サイト3つを紹介します。
ぜひ利用を考えてみてください。
薬キャリエージェント
薬キャリエージェントはエムスリーグループが運営している薬剤師転職サイトで、エムスリーが医療情報ポータルを運営していることもあり、医療業界との強いパイプがあります。
薬キャリエージェントのメリットは、子供や家庭を持っている女性の薬剤師向けのサポートが充実している点です。
子育てが落ち着いて薬剤師に復帰を考えている女性にはおすすめです。
また、薬キャリエージェントでは面接を行わず電話やメールのサポートを行っており、そのため、連絡へのレスポンスが早いのもメリットです。
薬キャリエージェントのデメリットは、病院や製薬会社の求人件数が主で、ドラッグストアの求人が少ない点です。
また、転職エージェントとの面接を行っていないので、親身に話を聞いてほしいという方には向きません。
子供や家庭を持っている女性や、転職に時間をかけたくない人におすすめの転職サイトです。
ファルマスタッフ
ファルマスタッフは調剤薬局チェーンの日本調剤のグループ会社であるメディカルリソースが運営している薬剤師転職サイトです。
ファルマスタッフのメリットは面接同行サービスを行っており、面接のフォローや条件交渉を自分の替わりにやってくれる点です。
ファルマスタッフは全国15箇所に拠点があるので、地方で転職活動を行っている人も安心してサポートが受けられます。
またファルマスタッフは定期的に転職候補先を訪問し職場環境を把握した上で、転職希望者に紹介しているので安心です。
ファルマスタッフのデメリットは、転職活動時に付いてくれる転職コンサルタントの質にばらつきがある点です。
転職面接に自信がない人は、ファルマスタッフを利用し面接同行サービスを利用しましょう。
リクナビ薬剤師
リクナビ薬剤師は大手人材紹介会社のリクルートが運営する薬剤師転職サイトです。
リクナビ薬剤師のメリットは転職コンサルタントが優秀で、連絡へのレスポンスが早く、職場の情報収集や条件交渉などを行ってくれるなど、サポートが充実している点です。
また、求人を35,000件以上取り揃えており、その中でも大企業や大手ドラッグストアなど高収入好条件の求人が多いのもメリットです。
リクナビ薬剤師のデメリットは向こうから提案された求人が自分の希望とずれていることがある点です。また、連絡が多く強引に感じる人もいるようです。
高収入の求人を探している人、スムーズに転職を済ませたい人はリクナビ薬剤師を利用することを検討しましょう。
まとめ
企業内診療所勤務の薬剤師は勤務時間が短く、休みもしっかり取れるので、仕事とプライベートを両立したい人におすすめの職場です。
また、企業の福利厚生をしっかり受けられるのも魅力です。
企業内診療所は求人も少なく、狭き門なので、ここで紹介した転職サイトを利用するのがおすすめです。
転職が初めての人も、転職コンサルタントのサポートを受けられるので安心です。
この記事を参考にして、企業内診療所への転職を成功させてください。
