この記事では、沖縄で薬剤師として働くメリット・デメリットについて詳しくまとめています。
沖縄県で薬剤師として働くことに興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
沖縄に薬剤師として移住するのはどう?メリットとデメリットから考察
美しい海、美味しい食事、ゆったりとした時間が流れる常夏の南国である沖縄へ移住を望む人は多いですが、沖縄に薬剤師として移住するという選択はどうなのでしょうか?
メリットとデメリット両方の側面から見てみましょう。
沖縄に薬剤師として働くメリット
沖縄に薬剤師として働くメリットは、次のようなものが挙げられます。
- 景色や食事が美味しい
- 職場がすぐに見つかる
- 出費が少ない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
景色や食事が美味しい
沖縄に薬剤師として働くと、素晴らしい景色を眺められ、美味しい食事を堪能できるというメリットがあります。
沖縄は日本唯一の常夏の楽園と言われており、広がる景色はどれも素晴らしいです。
珊瑚礁に囲まれており、島の周囲はエメラルドグリーンに輝く海が広がります。
街中はハイビスカスやヤシの木など南国の植物が生い茂っており、ヤンバルといわれる濃い森林地帯も残っています。
一年を通じて温暖な気候であり、青い空、蒼い海、濃い緑、色とりどりの花に彩られた素敵な世界が広がっています。
また沖縄料理も絶品です。ゴーヤチャンプル、テビチ、ラフテー、海ぶどう、ミミガ―、ゆし豆腐、ソーキそばなど本土とは異なる食材を使った沖縄独自の食文化があります。
職場がすぐに見つかる
沖縄は慢性的に薬剤師が不足していますので、職場を容易に見つけることができるというメリットがあります。
慢性的不足の要因の1つに、沖縄県に薬学部がないことが挙げられます。沖縄の人が薬剤師になろうと思ったら、県外の大学の薬学部に進学しなければいけないのです。
加えて県外に進学し無事薬剤師になったとしても、沖縄に帰ってこないというケースも多く報告されています。
現在沖縄県で働く薬剤師は、正確な統計データは存在しませんが、半数が本土出身と言われています。
特にここ10年は深刻な薬剤師不足に陥っており、本当の北部地域や離島では更に深刻に不足しています。
そのため薬剤師という国家資格さえあれば、職場に困る可能性が極めて低いと考えられます。
出費が少ない
沖縄に薬剤師として働くと、物価が安いなど生活費を低く抑えられるといったメリットがあります。
特に家賃が安く、鉄筋コンクリート製の1DKのアパートは、那覇市であったとしても駐車場込で3~4万ほどで借りられることが一般的です。
企業によっては沖縄への引っ越し費用に補助を出すケースもあります。
ネットショッピングする際は追加送料が心配ですが、沖縄本島を含めて送料無料を実現しているネットショッピング業者もありますので、活用するといいでしょう。
外食費が安く、1食350円から提供されています。弁当になるとさらに安く、適当なボリュームがあって250円から提供されています。
また冬は10℃を下回ることは滅多にありませんので、暖房なしでも過ごすことができます。
沖縄に薬剤師として働くデメリット
沖縄に薬剤師として働くデメリットには、次のようなものが挙げられます。
- とにかく人不足
- 給料が安い
- 車がないと通勤ができない・渋滞がひどい
- 島暮らしになるため、合う・合わないがある
とにかく人不足
沖縄に薬剤師として働くデメリットに、薬剤師の人数が慢性的に不足しており、その状況は深刻であるがゆえに、業務内容が過多になりがちであることが挙げられます。
薬剤師の慢性的不足は、沖縄県内に薬学部が存在しないことが要因の1つと考えられています。
沖縄県に薬学部を設置しようと、沖縄県薬剤師会、医師会、歯科医師会、看護協会が連盟で署名活動などを行っていますが、実現には至っていません。
そのため薬学部進学のため県外に出なければならず、県外に出ると沖縄県に戻ってこない場合も多く、現在沖縄県で働く薬剤師の半数は本土出身と言われています。
薬剤師が深刻に不足している島などでは、自分の調剤薬局を終えた後、他店舗の手伝いに駆り出されることも珍しくないそうです。
給料が安い
沖縄で薬剤師として働くと、忙しい割には給与水準が高くないことに不満を覚える例が多く報告されています。
これは、沖縄県全体として給与水準が低いのが主な要因だと考えられています。
沖縄と全国の給与水準を比較したランキングで沖縄は常に下位にランクされており、最下位をとったこともあります。
こういった状況の中では薬剤師はまだましであり、全国平均レベルである年収500~600万円くらいが一般的です。
通常、薬剤師が不足しており、かつ地方であれば、薬剤師を確保するため年収が高くなるものです。
しかし沖縄県は一定数の移住者が見込めること、病院および薬局数が少ないことが影響し、年収600万を超える高額求人が見られるのは稀な状況となっています。
車がないと通勤ができない・渋滞がひどい
沖縄は車社会であり、車がないと生活自体が成り立たない状況です。そのため沖縄で薬剤師として働く場合には、渋滞は覚悟しないといけません。
沖縄県民はマイカー通勤が基本であり、通勤に車を使用する人は労働者の9割を占めるといわれています。そのため朝夕の通勤ラッシュ時間帯は日常的に渋滞が発生します。
那覇市内は道路の整備が進んでおりますが、20~30分ほど車を走らせると、道路の状態がよくありません。
舗装がガタガタであったり、急に片側1車線になったりするので、渋滞が常に発生する場所もあります。
沖縄北部などは渋滞の発生が少ないですが、薬局は那覇市・沖縄市・うるま市・浦添市で沖縄県全体の6割弱を占めていますので、ほとんどの薬剤師は渋滞に悩まされます。
島暮らしになるため、合う・合わないがある
沖縄で薬剤師として働くデメリットに、沖縄独特の暮らしに合うかどうかという点が挙げられます。
まず沖縄の人は、その人が沖縄出身なのか、本土の人なのかすぐに見分けることができます。言葉のイントネーションですぐにわかってしまうそうです。
本土出身だからといって差別されたりするわけではありません。しかし言葉の端々にウチナー(沖縄の人)、ナイチ(本土の人)という言われ方をするようです。
また沖縄は飲んで仲良くなる、そして仲良くなると多くの人が他人のプライベートな空間に遠慮なく入ってきます。
その他、ウチナータイムという言葉が示す通り、時間感覚は適当であり、待ち合わせ時間はあってないようなものです。
こういった環境に自分が慣れることができるのか、見極めることが大切です。
沖縄で高給の薬剤師求人を見つけるためには?
沖縄の薬剤師の給与水準は全国平均レベルであり、突出して高いわけではありません。
その中でも高給の求人を見つけるためには、本当に人が足りていない沖縄の地方が狙い目です。転職エージェントのサポートを得て、高給な求人を紹介してもらうといいでしょう。
地方で、人がいない病院などを狙う
沖縄県の薬局は全体の6割弱が都市部である那覇市・沖縄市・うるま市・浦添市で占められています。那覇市が一番人気であり、那覇市に近い上記の都市も人気があります。
一方、地方は那覇市と比較すると薬剤師が足りておらず、人気も低いので、給与水準が高くなる傾向にあります。
沖縄本島では北部がお薦めです。沖縄は南部の開発が進んでおりますが、北部は手つかずの自然が残る沖縄らしいエリアです。
ただあまり北部に行き過ぎると薬局自体が存在せず、職場を見つけられなくなることにご注意ください。沖縄らしい風景が広がり、かつ薬剤師の求人が多いのは名護市です。
その他、石垣島や宮古島といった離島もお薦めです。石垣島は出生率が高く人口も増えていますので、需要が高く狙い目かもしれません。
転職エージェントを利用する
沖縄でインターネットを通じて自分で職場を探そうとすると、インターネット上では「募集中」なのに実際は求人が終了しているというケースに多く出会います。
これは沖縄の人のゆるやかな気質によるところも大きいと考えられています。更新を忘れてしまうようです。
また人と人とのつながりを重視する沖縄の人は、インターネット上では募集せず、地元の求人紙や、特定の人材紹介会社にしか募集を出さない例も多く見られます。
そのため転職エージェントを利用し、インターネット上に存在しない求人の情報を得ることが大切です。
また離島の場合は特に、転居や保険薬剤師の移動届などの手続きが本土と異なる点も多く、この点からも転職エージェントのサポートが欠かせません。
沖縄に薬剤師として働く上で利用したい転職サイト
沖縄で薬剤師の求人を探す際には、正確な情報を得られるため、転職エージェントサービスの利用がお薦めです。
エージェントにより求人数やサポート内容が異なり、担当コンサルタントとの相性も大切です。
一度面談を行った上で、主に利用するエージェントを決定されるといいでしょう。
薬キャリエージェント
薬キャリは東証一部上場企業であり、さまざまな医療業界向けのサービスを展開する「エムスリーグループ」が運営する、薬剤師向けの転職エージェントです。
薬キャリの強みは、コンサルティングに優れており、的確な求人を紹介してくれるため、ミスマッチが起こりにくいという点です。
その対応が迅速である点も人気です。薬剤師専門の転職のプロがさまざまなニーズに幅広く対応してくれることに定評があります。
また親会社であるエムスリーのネットワークを駆使して、独占求人も多く扱っています。
ただしフォローが細かいためか、「連絡が多すぎる」「少ししつこいと感じる」という口コミもあります。
初めての転職する方、細かいサポート体制を望んでおられる方にお薦めのサイトです。
ファルマスタッフ
ファルマスタッフは、東証一部に上場している「日本調剤グループ」が行っている、転職支援サービスです。
55000件以上の求人数を扱っており、全国に15カ所もの拠点があるので、地方に住んでいる方も気軽に利用できます。
また、大手薬局チェーンの日本調剤の教育ノウハウを活かして、登録者や一般薬剤師向けに、e-Learningなどの様々な学習研修も行ってサポートしています。
転職相談に力を入れており、必ず会う姿勢・キャリアアドバイザーの質の高さから、満足度96.8%となっているのも特徴的です。
じっくりキャリアアドバイザーと相談しながら、転職活動を進めていきたい人におすすめです。
リクナビ薬剤師
リクナビ薬剤師は、人材紹介業大手であるリクルートが運営する、薬剤師求人に特化した転職エージェントです。
リクナビ薬剤師は、優秀な担当者が対応してくれる点、リクナビ薬剤師だけの独占求人を多く抱えている点、比較的高収入の求人が多い点が強みです。
さまざまな転職希望者をサポートしてきた実績を誇り、その地蓄積されたノウハウを駆使し、迅速に対応し、的確なアドバイスをしてくれます。
リクルートと企業の繋がりにより、トップクラスの求人数を誇り、75%は非公開求人(独占求人は含まれる)と言われています。
また年収600万円を超える高収入案件数も多く、勤務条件の交渉も長けていると評判です。
ただし、紹介してもらえる案件は多かったけれど、自分に合う求人の割合が少なかったという口コミもあります。
マイナビ薬剤師
マイナビ薬剤師は、就職および転職支援サービス最大手の1つである「マイナビ」が運営する、薬剤師専門の転職エージェントです。
マイナビ薬剤師の強みは、面談によるサービスに力を入れており、地方在住者でも担当者と直接会って面談ができる点です。
転職希望者と「会って話す」ことをモットーにしており、対面でニーズを的確に把握し手厚いサポートをしてくれることに定評があります。
楽天リサーチ調べでは顧客満足度が5年連続No.1に輝いています。初めて転職される方、ネットを介してだけの紹介では不安を覚える方などにお薦めです。
ただし求人数は他社と比較するとあまり多くないため、他のエージェントと併用の上、求人を検索することをお薦めします。
まとめ
沖縄に薬剤師として働こうかと考えた際には、美しい風景、美味しい食事、ゆるやかに流れる時間など環境上のメリットだけではなく、求人数や給与水準などにも目を配りましょう。
沖縄には求人数は一定数あるものの、給与水準は高くありません。交通網が整備されていない影響でマイカー通勤が基本であり道は常に込んでいます。
薬剤師としての環境は良くても、島独特の習慣や環境に慣れることができないことも考えられます。メリットとデメリットを総合的に判断し選択することが大切です。