薬剤師は英語を勉強すべき?英語が活かせる職場の探し方も紹介

グローバル化が進む現代社会では、外国人とコミュニケーションをとったり、英語を目にすることが日常的になりつつあります。

以前は特定の職業の人たちだけに求められていた英語力が、いまや誰もが習得すべきと考えられるようになりました。

もちろんそれは薬剤師も例外ではありません。

この記事では、薬剤師が英語を学ぶことによって得られるメリット、具体的な学習方法、英語を活かせる職場に転職する方法についてまとめてあるので、ぜひチェックしてみてください

薬剤師に英語は必要?英語が必要になるときはある?

これまでの日本では、薬剤師に英語スキルを求められることは多くありませんでした。

しかし、厚労省の発表によると、2018年1月1日時点での日本における在留外国人の割合は過去最高に達し、今後はさらに増加すると予想されています。

また、東京オリンピック開催に向けて、今まさに海外から多くの観光客が訪れています。

これらの変化により、調剤薬局やドラッグストアを訪れる外国人客数も増えていることは容易に想像できます。

英語で接客することの必要性が高まっていることからも、英語が話せる薬剤師の需要はますます増えることが予想されます。

薬剤師で英語ができると年収上がる?メリットや有利な点

日本では現状、英会話ができる薬剤師は多くありません。

しかし先に述べたように、業務で英語が必要になる可能性は高いと考えられます。

だからこそ、英語ができる薬剤師はそのスキルを強みとして売り込むことができますし、仕事を得るチャンスが格段に多くなります。

とはいえ、すでに勤務している職場で年収をあげるのはすぐには難しい場合が多いようです。

しかし、英語の有用性を認識している職場への転職活動で英語力をアピールすれば、好条件で就業できる可能性がアップします。

薬剤師は英語をどうやって勉強したら良い?勉強法を紹介

とはいえ、これから英語を学びたいと考える人の中には、英語に強い苦手意識のある人もいるかもしれません。

そんな人でも挫折することなく、より効果的に学習するためには、様々な学習方法の中から自分に合った勉強法を選ぶことが大切です

オンライン英会話

オンライン英会話は、Skypeなどを用いてオンライン上で英語を学べるサービスです。

サービス会社が教材やアプリを提供していることも多いので手軽に始めることができ、月額料金も手ごろです。

ネット回線を通じて海外のネイティブスピーカーからマンツーマンで英会話を教わるため、本場の言い回しや実用的な会話力が身に付きます。

パソコンやタブレット、スマートフォンがあれば場所を選ばず受講できるので、英会話スクールに通う時間がない多忙な人にもおすすめの方法です。

英会話スクールに通う

英会話というと真っ先に思い浮かぶ方法が英会話教室ではないでしょうか。

目的別のコースを選択できる教室が多く、短期間に集中して英語をマスターしたい人におすすめです。

スクールに通って講師と対面で話すことになるので、ネイティブスピーカーの講師を指名すれば、業務での接客に近い体験をすることが可能です。

英会話を苦手とする人は、英語で話しかけられただけで緊張してしまうことも多いので、外国人とのコミュニケーションに慣れる意味でも非常に有意義な学習方法です。

独学する

最近では学習アプリやYouTubeチャンネルなど、コストをかけずに勉強できるツールが数多く存在します。

空き時間を活用して努力を続けられるタイプの人なら、独学でも充実した学びが得られるでしょう。

通勤などのすきま時間にはスマートフォンやタブレットを用いてアプリで学習し、家では書籍や辞書、問題集に目を通して語彙や文法を学ぶといったように、自分の生活サイクルに合わせて様々な工夫ができます。

トイレやお風呂では単語帳を見ることができるなど、普段から英語が目につく環境を整えることも効果的です。

留学する

思い切って海外留学をするのも効果的な方法です。英語に囲まれて生活することは、英語を習得するには一番の近道と言えます。

在職中に留学するとなると職場の理解が得られないことも想定されるため、ハードルの高い選択肢かもしれません。

しかし、目的意識を明確にもってのぞむ留学体験はかなりの費用対効果が期待できます。

また、転職をする際に履歴書に留学経験を書けば大きなアピールになります。

現職に区切りがつくタイミングであれば、留学を経験することで、英語の有用性を理解している企業から好待遇で迎えられる可能性も高まるでしょう。

薬剤師が英語を勉強する上で役に立つ本

英語に限らず、言語の習得を目指すには参考書や問題集、辞書といった書籍も活用するのが望ましいです。

もちろん職場によって求められる能力に違いはありますが、ここでは薬剤師なら誰もが学習しておいて損がない英語を学ぶための書籍を紹介します。

 TOEICやTOEFLなどの資格関係本

TOEICやTOEFLの違いとして、TOEICは転職活動において重視されることが多く、TOEFLは海外の大学に入学を希望する際に参照されることが多いです。

したがって、仕事のスキルアップにはTOEIC、留学を目標としているならTOEFLを受験することが望ましいでしょう。

製薬会社では、採用基準としてTOEICの一定スコアを課すことが主流になりつつあります。

転職先として製薬会社を視野に入れるならば、TOEIC受験は必須だといえます。

TOEIC試験は学習することで会話するのに困らない英語力が身に付きますから、製薬会社以外に勤務する薬剤師も学んでおくと安心です。

薬剤師に関係する専門用語集

英語の使用頻度が高い職場では、ある程度の専門用語は調べなくても理解できるようにしておくことが求められます。

また、接客など対面で薬の説明をする際にも専門用語の知識があることでスムーズにやり取りが行えます。

具体的な勉強方法として、以下の書籍等を日頃の学習に取り入れて語彙力を増やしておくことをおすすめします。

  • キクタンメディカル 6 薬剤編 (医学英語シリーズ 10)(アルク)
  • 医薬品開発‐承認申請‐市販後業務のための知っておきたい英単語・英語表現(じほう)

薬剤師が英語を活かした仕事をするにはどうすれば良い?

ひとくちに英語を活かせる仕事と言っても、実際に使うのが会話力なのか読み書き能力なのかは業務内容によって異なります。

それぞれの仕事内容や求められる英語スキルの違いを以下にまとめたので、自分にはどれが合っているか参考にしてください。

空港で働く

空港のドラッグストアや調剤薬局には、常時多くの外国人客が来店します。

そのため、日常的に英語を活かすことができることに加え、英語ができることが評価対象となるため、高収入を得ることも可能です。

例えば体調を崩してしまった外国人が来店した場合には、英語で薬の説明や服薬指導をすることになります。

英語で説明ができる薬剤師は貴重なのでリピーターがつきやすく、客側にも店側からも重宝されます。

また、服薬についての説明は口頭のみでは伝わっていない可能性もあるため、紙に英語でメモを書いて一緒に渡すことができると客からも感謝されます。

製薬企業で働く

製薬会社はグローバル化が著しく、英語力が業務の幅に直結しています。

MR(医薬情報担当者)の場合、リーディング力や医療系の専門用語の知見が求められます。

外資系では会話力も必須ですが、日系企業の場合でも外国人が多い企業の場合には英語を話す必要が出てきます。

DI(Drug Information)の業務は、薬剤に関する正確な情報提供をすることです。

海外の症例報告やガイドラインはもちろん英語なので、高度な読解力が求められます。

研究・開発職は、より英語を使う機会が豊富にあります。

海外の文献を読むのはもちろんのこと、新薬開発にあたり海外の会議に参加する機会もあるため、スピーキング能力が必要です。

以上のように業務内容によって求められる英語スキルは異なりますが、いずれのポジションについたとしても人事異動の可能性もあるため、継続して英語力を磨くことが望ましいです。

海外で働く

日本の薬剤師免許は日本国内でのみ有効です。

そのため、北米、ヨーロッパなどで薬剤師として働くには、基本的に現地の薬学部に入りなおして現地の薬剤師資格を取得するか、国ごとに設定された試験や研修を受ける必要があります。

しかし上記のいずれも費用と時間がかかるため、コストを抑えて海外経験を得たい場合にはまた別の方法を考える必要があります。

たとえば、国境なき医師団や青年海外協力隊といった国際慈善事業では、同行スタッフとして薬剤師を募集しています。

業務内容には制限がありますが、無理なく短期間で海外勤務経験を得ることができます。

一方で、タイやシンガポールなどアジアの一部の国では、日本の薬剤師免許のみで薬剤師として勤務できる場合があります。

そのようなケースでも、英語ができる人材は優遇されやすいようです。

海外の日系企業で働く

先に述べたように、海外では基本的に日本の薬剤師免許が使えないため、日本で薬剤師として活躍している人材が海外派遣されることはありません。

また、アジアの一部の国で薬剤師として就業できたとしても、英語をメインに活躍できる環境はそう多くありません。

上記以外に英語を活かせる職場で働く方法として、海外研修を実施している日系企業への就職がおすすめです。

企業の海外研修では、アジア以外にもアメリカやカナダ、イギリスなど様々な国にいける可能性があります。

現地の薬剤師免許を取得するには最短でも数年を要することを考えると、働きながら研修で海外経験を積めることは大きなメリットといえます。

薬剤師の英語が活かせる求人はある?どうやって探せば良い?

英語が重視されない職場にいて、今より英語を活かしたいと考える人には転職もよい方法です。

しかしながら、数ある求人から自分に合ったものを見つけるのは一人では至難の業です。現状を変えるにはどのような方法があるのでしょうか。

転職サイトを活用する

短期間でよい転職をしたいのであれば、転職サイトの利用がおすすめです。

転職サイトでは転職のプロ(エージェント)があなたにとって最良の求人を紹介してくれます。

また、一般には公開されていない非公開求人と呼ばれる、好条件の求人情報も得ることができます。

以上のサービスは無料で利用することができるので、利用しない手はありません。

サイトごとに特色があり、それぞれの強みもあるため、自分に合ったものにいくつか登録しておくことをおすすめします。

薬剤師が英語を活かせる仕事を探すのに活用したい転職サイト

よい転職を実現させるためには、ただ転職サイトを使えばいいというものではありません。

数あるサイトの中でも、薬剤師の転職をメインに扱うサイトを選ぶことが重要です。

ここでは、薬剤師におすすめの転職エージェントを紹介します。

薬キャリエージェント

薬キャリエージェント

薬キャリエージェントは、エムスリーグループが運営する薬剤師向けの転職サイトです。

即日最大10件の求人を紹介してもらうことができ、スピーディーな転職活動を行うことができます。

とりわけ首都圏エリアの転職に強く、東京都内に住んでいる薬剤師ならコンサルタントとの直接面談も可能です。

そのほかのエリアでは電話でのやりとりが可能で、各地域担当のコンサルタントが転職をバックアップしてくれます。

日本全国の医療機関から非公開求人が毎日寄せられるため、病院や製薬会社への転職を希望する人にとって利用して損はないサイトです。

また、転職希望者への手厚いサポートに定評があり、転職経験がない薬剤師でも安心して転職活動をすることができます。

ファルマスタッフ

ファルマスタッフ

ファルマスタッフは、日本調剤グループ会社が運営する薬剤師転職支援サービスです。

求人数5万件以上と、業界トップクラス。年収600万円・時給4,000円以上の高収入求人が日々更新されます。

とりわけ調剤薬局の求人が豊富に寄せられているので、調剤薬局への転職を考えている人は登録をおすすめします。

また、全国15カ所に拠点があり地域密着のサポートが受けられる点、日本調剤グループの教育・研修を受けることでスキルアップ・キャリアアップができる点が利用者から好評です。

コンサルタントが面接に同伴してくれるサービスがあり、転職活動に慣れていない人でも安心して転職活動を行えます。

福利厚生の整った好待遇な派遣求人も多く、ブランクのある人でも働きやすい職場を見つけやすいでしょう。

マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師は「薬剤師の職場カルテ」という情報コンテンツが充実しています。

コンサルタントが求人情報の寄せられている職場へ訪問し、働いている人のインタビューや職場の様子をレポートしたものです。

求人票だけではわからない職場の内情がわかることも、転職者にとって大きなメリットです。

正社員の求人が多く、逆に派遣求人がないのが特徴なので、正社員として働きたい薬剤師におすすめです。

特に企業やドラックストアの求人が多く扱われています。

対面での面談を重視しており、地方でも14カ所の支店があり対面面談や、その他の転職サポート(履歴書の添削や面接同行・給与交渉など)を受けられます。

休日でも出張相談会を実施しているため、平日が業務で転職活動が進められないという人でも安心して転職活動を始めることができます。

まとめ

日本で薬剤師として働いていれば、今は必要でないにしろ、近い将来に英語が必要になる可能性は高いでしょう。

薬剤師として活躍し続けるために、また望ましい労働条件や環境で働いたり年収アップを叶えるためにも、英語を学び仕事に活かそうとする姿勢をもつことの重要性は増しています。

この記事で紹介した英語の勉強方法や英語が活かせる働き方、求人を探すのに適した転職サイトの情報を参考にして、ぜひとも理想の転職を実現させてくださいね。