薬剤師転職の履歴書の書き方は?ポイント・具体例を解説

8転職の際は履歴書の書き方に迷うものですが、それは一般的な会社員だけではなく国家資格を持っている薬剤師でも同じことです。

たとえ優れた資格や経歴、学歴を持っていたとしても、それだけで希望する勤務先に転職できるわけではありません。

では薬剤師として転職をする際、どのようなことを履歴書に書けば希望する転職先に行ける可能性が高くなるのでしょうか。

多くの薬剤師が転職する際に疑問に思うことも含めて紹介していきます。転職を検討している人は参考にしてください。

薬剤師転職の履歴書・職務経歴書の書き方と例

実際に履歴書や職務経歴書を書く際の書き方と例を紹介していきます。履歴書は新卒の際に書いたことがあっても、職務経歴書は書いたことがない人も少なくはないでしょう。

それぞれの項目に関して分かりやすく解説していくので、例を元に履歴書・職務経歴書を作ってみてください。

履歴書

新卒の時に書く履歴書と、薬剤師として経験を積んで得意な点をアピールする転職の履歴書では違った書き方をする必要があります。

履歴書を書く際に忘れてしまいがちな基本的な情報と併せて紹介していきますので、参考にしてください。

日付

履歴書の最上部に日付を記入する箇所がありますが、この日付は履歴書を書いた当日ではなく投函する日を書きましょう。もし面接などで直接持参する場合は、面接当日の日付を記入する必要があります。

また、和暦と西暦のどちらを記入すべきか悩む人も多いですが、実は和暦か西暦かというのはそれほど大きな問題ではありません。

ただし学歴や職歴で記載する方法と統一できるように注意しましょう。また、記入の際には漢数字ではなく算用数字を使用するのが一般的です。

写真

履歴書の写真は基本的には撮影から3ヶ月以内の写真を使用しましょう。ただし、その期間に髪を切るなど大きく印象が変わっている場合は、撮り直す方が良い印象を与えます。

サイズは40mm×30mmが一般的です。スピード写真を使用する場合も履歴書モードを選択できるので、自分で切らなくても良いように履歴書用のサイズで写真を撮ると良いでしょう。

スピード写真を利用してももちろん構いませんが、時間があれば写真館で撮影する方が髪型や表情などに対してプロからのアドバイスをもらえるのでおすすめです。

住所・電話番号・メールアドレス

履歴書の住所を書く際には郵便番号を忘れがちなので注意しましょう。また、ふりがなをどこまで記入するか悩む人も多いですが、一般的には番地の前までで構いません。ただし、マンション名などに読みづらい漢字が入っている場合は忘れずにルビをふりましょう。

配偶者の転勤に帯同するなど、転居予定かつ転居先の住所が未定の場合は欄外にその旨を記入するのがおすすめです。

電話番号やメールアドレスに関しては、いつも使い、すぐに連絡が取れるものを記入しましょう。アルファベットの記入は大文字や小文字はもちろん、Zと2などの分かりづらい文字にも注意して記入します。

学歴

学歴の年代は、冒頭に書いた日付と和暦・西暦を統一する必要があります。義務教育を記入する必要はないので「学歴」と書いた次の行から高校卒業以降の学歴を記入しましょう。

「高校」などと略して書かずに「高等学校」と正式名称で書く必要もあります。全日制や大学の学部・学科なども省略せずにしっかり記入しましょう。

もし自分の出身校の名称が変更になった場合は、旧名で記載した後でカッコ書きで現在の名前も記入するようにしましょう。

出身校の名前が変更になっていないかどうか、特に学校の統廃合が多い地域出身の人などは履歴書を書く前に調べるのがおすすめです。

職歴

職歴に関しても学歴と同様、和暦・西暦を統一することを忘れてはいけません。学歴と職歴の間は1行空け、「職歴」と記入してから職歴の記入を開始します。

過去の職歴で異動があった場合は、その日付も忘れずに記入するようにしましょう。退職した場合は「一身上の都合により退職」という記載で構いません。

ただし契約社員の場合は「契約満了により退職」、会社都合の場合は「会社都合により退職」と記入して、退職理由に間違ったことを書かないように注意しましょう。

資格・免許

学生時代に漢検などの資格を取得している人も多いかもしれませんが、応募先と関係のない資格を書く必要はありません。

ただし、勤務先の立地や在宅医療に力を入れているか次第で、普通自動車免許が必要となる場合もあるので、自動車免許に関しては書いておいても良いでしょう。

認定薬剤師の場合は、資格を取った年月もしっかり記入しましょう。面接後に認定証の提出を求められる場合もあるので、年月を間違えないように記入しなければなりません。

志望動機・長所・アピールポイント等

志望動機やアピールポイントの欄は単純に自分の長所を書くだけではなく、希望する転職先のどういった点に興味を持ったのかを書かなければなりません。

「貴社であれば、私の持っている〇〇の資格を活かしつつ、△△のスキルを伸ばせていけると考えている」のように、出来る限り具体的に書くようにしましょう。

パート薬剤師など時短で働く場合は「土日祝日でも勤務可能」というのは長所となりますので、勤務時間帯の制限がない人は忘れずに記入しましょう。

本人希望欄

履歴書の本人希望欄は「特になし」と記載してしまう人も多いですが、志望度が低いと勘違いされる原因になりかねないので、しっかり自分の希望を記入するようにしましょう。

勤務時間や曜日に希望がなくても、転職後に管理薬剤師を目指したいといったキャリアに関する希望や資格を取得したいという希望を書くことで、熱意をアピールすることができます。

転職先の企業でどのような希望や要望を持って働きたいと思っているのか、面接官に伝わるようにしっかり記入しましょう。

職務経歴書

転職したことがなく、職務経歴書の書き方を知らない人も多いでしょう。履歴書と同じように職務経歴書にどのようなことを書くべきか紹介していきます。

履歴書と同じ日付を記入してから職務経歴書で自分の職歴を詳細にアピールしましょう。

職務要約

職務要約の欄には、今まで自分が担当した業務を文章で記入しましょう。「病院薬剤師として〇年勤務し、その中で管理薬剤師の経験は●年、△△認定薬剤師の勤務経験は◇年あります」のように、経験も整理して記入するのがおすすめです。

新人教育や新店舗での勤務経験など、他の薬剤師にはあまりない経験・能力を持っている人は、その点を中心に記入すれば、人気の転職先でも書類選考を通る可能性が高くなります。

職務経歴

職務経歴は、職務経歴書の中で最も重視して記入しなければなりません。上記の職務要約の内容をさらに詳しく書いていきしましょう。

1日に対応する処方箋の枚数など、現在の自分の勤務状況が分かるように詳しく記入しましょう。同僚の薬剤師の数など、職場環境についても記入するとより良い職務経歴になります。

病院薬剤師の場合は、専門として見ている診療科がどの科なのか、経験がある診療科を記入すると詳しく書けるようになります。

活かせる知識や経験・技術

活かせる知識や経験の欄は、履歴書の長所の欄との整合性を意識して書くと、分かりやすい職務経歴書が書けるようになります。

また、エクセルなどの資格を持っている人は、単に関数計算ができるのかマクロまで組めるのかといった自分のスキルを詳細に書くと、面接で話も広がりやすくなるでしょう。

自分が持っている知識や経験を人事担当者に伝えるように書き、面接の際にそれを話題に話しやすくなるような書き方を意識すると良いでしょう。

持っている資格

持っている資格は履歴書の欄と同じように、応募先に対して関連性の高い資格だけを記入するようにしましょう。

外国人が多い地域であれば、英検などの語学の資格を書くことで選考が有利になる場合もありますが、基本的には記入する必要はありません。

ただし認定薬剤師など、薬剤師の職務と密接に関係のある資格に関しては転職先の職種に関わらず記入することで、自分自身の向学心をアピールすることができます。

また、履歴書と同じように勤務地や在宅医療への貢献を考えて、自動車免許を持っている人は忘れずに記入するようにすると良いでしょう。

自己PR

自己PR欄は、職務要約や職務経歴で伝えきれなかった内容を補完する意識で書くと書きやすくなります。

自分の技能や今までの知識・経験が、新しい職場にどのように貢献できるかイメージしながら、具体的に記入するようにしましょう。

他の薬剤師があまり持っていないような経験や資格を持っている場合は、この欄でさらに掘り下げて書くのもおすすめです。

ただし、前述の内容とあまりにも重複している場合は、他に書くことがない人間だと思われかねないので文章量に注意しましょう。

薬剤師転職の履歴書の書き方についてよくある質問

転職用の履歴書を書く場合、多くの薬剤師が同じ疑問を抱くと言われています。

ここでは多くの薬剤師が悩む内容に関する回答を紹介していくので、履歴書や職務経歴書を書いている段階で悩んだ場合は参考にしてください。

認定薬剤師・研修認定薬剤師などの資格の書き方はどうすれば良い?

持っている資格を書く場合は、新卒や一般の会社員の履歴書と同じように取得順に古い資格から書いていくようにしましょう。

また、アピールしたい資格でも、万が一更新を忘れて失効していたら資格欄に書くことはできません。本人希望欄や自己PR欄に、失効した資格と失効理由、今後の再取得の予定と一緒に書くようにしましょう。

あくまで資格欄は「現在保持している資格」を書く場所ですので、失効した資格はどんな理由があっても記入してはいけません。

薬剤師がパートで働く場合の志望動機はどうすれば良い?

パート薬剤師の場合、転職先に強いこだわりがあるわけではなく、勤務時間や勤務地の都合で転職先を選ぶこともあるでしょう。

勤務地や勤務時間で転職先を選んだ場合、そのことを正直に書いても構いません。ただし、単に「近いから志望しました」などと書くと良い印象を与えないので、「自宅に近く、急に欠員が出た時にフォローできると考えて志望しました」のように書くと良いでしょう。

どのような雇用形態であっても、正直な理由を単純に書くよりも企業に貢献することを意識しながら記入した方が印象は良くなります。

履歴書は手書きのほうが良い?

履歴書は手書きでも印刷でも構いませんが、企業が指定している場合はその形式・書式に合わせた履歴書を提出しましょう。

複数の転職先へ同時に応募する場合は印刷の方が便利ですが、日付を古いものにしてしまったり、志望動機をそのままにしてしまったりといったミスをしがちなので、注意が必要です。

手書きの場合は、履歴書や職務経歴書で図表を作る際に定規などを使って丁寧に作成しましょう。字もトメ・ハネを意識して丁寧に書くことで印象が良くなります。

薬剤師免許の取得年月日はどうやって書けば良い?

薬剤師免許や認定薬剤師の取得年月日の書き方は、合格通知書に記載されている年月日ではなく登録した日付を正確に記入しましょう。

国家試験に合格しただけでは登録されていないので、薬剤師として働く事は出来ません。従って、登録日が正確な取得年月日になります。

薬剤師ではなく医師ですが、試験に合格したものの登録を忘れて働いていて医師法違反で実際に摘発された事例もあります。薬剤師も同様で、試験合格後に薬剤師登録した日付に注意しましょう。

新卒薬剤師が履歴書を作る上で気をつけたほうが良いポイントは?

転職を希望する薬剤師の場合は、今までの経験や培ったスキルなどを転職先にアピールすることができます。しかし、学校を卒業したばかり、もしくは卒業予定の新卒薬剤師は、自己PR欄に記入することがなくて困ることもあるでしょう。

新卒薬剤師が履歴書を作る場合の自己PR欄は、学生時代の経験も良いですが就職先でどのように働きたいか、どのような貢献ができるかを書くようにしましょう。

たとえば就職先に病院を希望するのであれば「専門的な知識を深めていき、いずれは後輩指導も行いたい」のように書くと、具体的なイメージを持っていると高評価になります。

薬剤師転職の履歴書の書き方で迷ったら、転職のプロに相談しよう!

書き方を調べてから履歴書を書いていても、実際に書いていると書き方に悩んでしまうことも珍しくはありません。

履歴書や職務経歴書の書き方に迷った場合は、転職エージェントに相談することでより質の高い履歴書・職務経歴書が書けるので、積極的に利用していきましょう。

薬キャリエージェント

薬キャリエージェント

薬キャリエージェントは薬剤師向けの転職エージェントの中で最も薬剤師の登録数が多く、企業の非公開を含めた求人数も多いことで有名な転職エージェントです。

登録者数が多いため、それだけ転職の成功も失敗も数多く見ています。履歴書に関しても、どういった履歴書の方が書類選考を通れるかといったノウハウも持っているでしょう。

どうしても転職したい第一希望の転職先がある場合は、履歴書を実際に送付する前にエージェントに依頼して添削してもらうのがおすすめです。

履歴書や職務経歴書で足りない部分を教えてもらえるのはもちろん、履歴書を元に面接でどのように自己アピールをすれば良いのかといった対策も専門家に教えてもらえるでしょう。

ファルマスタッフ

ファルマスタッフ

ファルマスタッフも20年近い歴史を持つ、老舗の薬剤師向け転職エージェントです。

ファルマスタッフは薬剤師向けの転職エージェントの中でも、プロのエージェントと実際に面談することで応募者の細かな要望を聞き取るというバックアップ体制が充実していることで知られています。

面談の日が決まったら、それまでに自分で履歴書と職務経歴書を作成して持参すると良いでしょう。その場で履歴書・職務経歴書の手直しをしてもらうことも可能です。

応募したい転職先が複数ある場合は、それぞれに向けた履歴書と職務経歴書をあらかじめ作成しておいて添削してもらうことで、書類選考を通る確率を上げることも可能です。企業の特色に沿った履歴書を作成しておくようにしましょう。

リクナビ薬剤師

リクナビ薬剤師

リクナビ薬剤師は、配偶者の転勤に帯同するなどの理由で働きたい時期を詳細に設定したい薬剤師が積極的に利用したい転職エージェントの一つです。

職歴にブランクを作らないために今すぐ転職したい場合、利用するのがおすすめです。それ以外にも、転勤やそれに伴う子供の学校の手続きなどが終わった半年後くらいから転職先を検討したい、といった状況にも柔軟に対応してくれます。

地域も現在住んでいる地域だけではなく、転勤先の転職情報を事前に詳しく入手することが可能なので、まず情報を集めて吟味してから、転職活動を始めたい人にもおすすめです。

もちろんエージェントに頼めば、履歴書や職務経歴書の添削をしてもらうことも可能です。その場合も、面談形式だけではなくメールや電話での添削もしてもらえるので、なかなか書類選考を通ることができない人は一度相談してみると良いでしょう。

マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師は近年力を付けている薬剤師向けの転職エージェントで、利用者満足度が高いことで有名です。

一般の会社員の転職や新卒の就職をあっせんしているノウハウがあり、製薬会社に強いパイプを持っています。このため調剤薬局や病院、ドラッグストアだけではなく、製薬会社のMRへの転職を希望している人は登録しておくと良いでしょう。

非公開求人の数も多く、転職サイトを利用せずに転職活動するよりも、かなり多くの求人を目にすることができます。

エージェントによるサポート体制も充実していて、履歴書や職務経歴書の添削だけではなく面接の対策もしてもらえます。どのような質問に備えておくべきかといったことも教えてもらえるので、転職活動が不安な人は利用してみましょう。

薬剤師転職の履歴書はミスをしないことが大切!転職のプロに頼りながら、作っていこう!

調剤業務は患者の健康を守る役割から、細心の注意を払うことが求められる薬剤師です。そのため、履歴書や職務経歴書に不備やミスがあると注意力散漫とみなされて、それだけでマイナスイメージを持たれてしまう可能性もあります。

薬剤師として転職をしたい場合は、企業のことを調べるのはもちろん、ミスのない履歴書を作成するよう心掛けましょう。時にはプロの力も借りながら、志望先に応じた履歴書・職務経歴書を作成するのが転職活動において非常に重要です。