薬剤師のベストな転職時期は?辞めるタイミングやポイントについて解説

薬剤師の資格を活かして転職をする場合は、一般的な転職よりも有利だと言われています。しかし、時期によっては希望する求人が見つからないこともあるでしょう。

では、薬剤師が転職をする際には、どういった時期ならスムーズな転職活動が行えるのでしょうか。職場ごとの転職時期や辞める時のベストタイミングを紹介していきます。

転職を考えている薬剤師の人は、退職願を出す前に本当に転職すべきタイミングなのか考えてみてください。

薬剤師のベストな転職時期っていつ?

薬剤師として転職を考える際、時期によっては希望する求人が見つからないことがあります。そういった時期にやみくもに転職しても、また次の職場をすぐに辞めてしまうことになりかねません。

薬剤師のベストな転職時期は、主に求人が多い1~3月がおすすめだと言われています。一方、勤めている企業からボーナスをもらった後に辞める人もいるでしょう。この場合、転職時期は6月や12月が多くなります。

職場に可能な限り迷惑をかけないよう、自分の職場の閑散期に転職する人もいます。いずれのケースでも、希望する求人に出会える時期を狙って転職活動すると、転職活動のコストを最小限に抑えることが可能になります。

このタイミングで転職はあり?転職したい時期ごとにポイントと注意点を紹介

薬剤師のキャリアを十分に積んだ上で転職を検討すると、自信を持って転職活動に臨むことができます。しかし、入社してすぐに転職を考える人もいるでしょう。

入社から3ヶ月や1年、2年など、社歴の短い薬剤師が転職をする時のポイントと注意点を紹介します。特に若手の人は参考にしてください。

3ヶ月

入社して3ヶ月だと、会社での研修が終わってすぐのタイミングで転職を検討することになります。ボーナスなど給与面を期待して無理に勤務を続ける必要はない一方、就業期間が短いと「辛抱できない」などとマイナスのイメージを持たれる可能性が高くなります。

入社3ヶ月で転職する場合は、転職先を納得させることができるような辞職の理由を用意する必要があります。配偶者の転勤への帯同など、不可避の内容でない限り、良い印象を持たれないでしょう。

勤続年数が長い薬剤師と比べると面接で不利になることは避けられません。先ほど解説したように、求人が多い1~3月を狙うと少しでも良い求人に出会える可能性が高まります。

半年

入社して半年で転職を検討する場合も、3ヶ月での転職を検討している人とそれほど条件は変わりません。転職先によっては「すぐ辞めるから採用したくない」と思われるリスクも高いでしょう。

入社半年で転職する場合も、転職先を納得させる理由を用意しましょう。その他にも入社する企業に何を求めているかを明確にすることで、転職活動におけるマイナスイメージを払しょくできる可能性もあります。

半年の経験は短いとはいえ、前職で得た知見を生かして転職先に自らのビジョンをアピールしましょう。

1年目

入社して1年が経つと今いる企業や家庭の状況が変わることも多く、転職を検討してもそれほど不自然ではありません。希望する求人が多い時期や、ボーナス取得後に転職活動をすると良いでしょう。

ただし、1年目に限った話ではありませんが、転職先の面接で前職の不平・不満を言ってはいけません。面接官に話を振られても曖昧に濁すことが重要です。

また、3ヶ月や半年ほどではないとはいえ、在職期間が短いことには変わりありません。転職を希望する理由はもちろん、なぜその転職先を選んだのか具体的な理由を用意しておきましょう。

2年目

2年目になると新卒・中途問わずに転職を検討する人もいるでしょう。特に30歳以降の程度のキャリアを積んだ薬剤師であれば、さらなるステップアップのために転職を検討しても不自然ではありません。

入社2年目で転職する際は、ドラッグストアからドラッグストアなどの同じ分野の職場なのか、それとも全く違う職場なのかでポイントや注意点が変わってきます。

同じ分野の職場に転職を希望する際は、なぜ前の職場ではダメで次の職場には何を期待しているのかといった理由と希望を客観的に分かりやすく準備しておきましょう。

また、全く違う職場への転職を希望する際は、前職の経験をどのように活かしていけるのかという点を明確にし、他の志望者と差をつければ、転職の成功率が高まります。

薬剤師の職場ごとにベストな転職時期はある?

希望する職場によって求人が出る時期は微妙に違いますが、それぞれの職場の閑散期を志望することで転職の成功率が高まります。企業は繁忙期に向けて、採用活動を計画的に行うからです。

これに対し、繁忙期は突然人員が足りなくなったといった「急募」案件が散発的に出る傾向があります。

閑散期の転職が有利なのは、入社後の研修を充実した体制で受けられる点にもあります。

各職場ごとに閑散期を踏まえたベストな転職時期を紹介していきます。転職時期を検討する際に参考にしてください。

調剤薬局

調剤薬局は求人数が多いため、冒頭で紹介した1~3月以外にも転職のしやすい職場です。ただし、一般的な決算期である3月や9月は大規模な棚卸などの作業が多くなるので、繁忙期になります。面接を希望しても遅くなる可能性があるので注意しましょう。

また、新薬が発売される時期も製薬メーカーの勉強会などで忙しくなりがちです。薬価収載の直後は避けた方が、スムーズな転職活動が行えるでしょう。

一般的には7月もしくは2月の転職活動がスムーズに行えると言われています。現職のボーナス支給日を考えながら、転職活動を開始する日を決めましょう。

ドラッグストア

ドラッグストアも調剤薬局と同様に求人数が非常に多く、時期に関わらず転職活動を受け入れている職場と言えます。ただし、やはり期末などは繁忙期に当たり、少しでも早く職場を決めたい人は避けるようにしましょう。

ドラッグストアの場合、日用品の繁忙期も考慮に入れる必要があります。たとえば年末は大掃除のために忙しくなりがちなので、面接の日程は取りづらくなるでしょう。

一方、年始の1月は期末でも大掃除などの繁忙期でもなく、閑散期であると言われています。特に人気のドラッグストアには、このタイミングを狙って応募するのがおすすめです。

病院

病院は求人が出ていないことも多く、特定の病院を希望するなら、転職サイトだけではなく病院のホームページもチェックして転職活動をしましょう。

4~7月頃までは新卒の薬剤師の採用や研修、配属などで忙しいので既卒の薬剤師の採用活動は積極的でない場合がほとんどです。また、大型連休の前なども薬の在庫確保に忙しい関係で、あまり歓迎されません。

病院の閑散期は短く、11月もしくは1~2月が狙いめです。現職でのボーナスを受け取った後で転職したいのであれば、1~2月の求人に応募すると良いでしょう。

製薬会社

製薬会社も比較的求人が多い職場ですが、やはり新卒採用の時期の4月や新卒の営業が現場に出る10月は慌ただしい時期です。この時期は選考や研修が遅れ気味になるので注意しましょう。

製薬会社は非常に人気の高い就職先ですが、一方で離職率も高いことで知られています。MRの場合は特にボーナスをもらった6月もしくは12月のタイミングで離職する人も多く、その後の7月や12月であれば大手への転職もしやすくなります。

ただし、製薬会社も国内企業か外資系かによってボーナスのタイミングが違うため、求人が多い時期が異なることもあります。狙っている特定の会社がある場合、新卒向けでも良いので募集要項を確認してボーナス支給のタイミングを把握すると良いでしょう。

薬剤師の転職時期・辞めるベストタイミングは?

求人の多い時期を狙うなど、転職活動を始めるベストタイミングがあるのと同じように、退職にも適した時期と適していない時期があります。

では、薬剤師を辞める際にベストなタイミングと言われているのは、どんな時期でしょうか。3つの観点から紹介していきます。

求人が豊富に出ている時

職歴にブランクを作らずにすぐに転職したいのであれば、求人が豊富に出ている1~3月に退職するのがおすすめです。

求人が少ない時期に転職活動をしても、不人気の職場しかなくすぐに離職したくなってしまうかもしれません。また、面接を受けてから不人気と知って自分で辞退すれば、企業も自分も時間の無駄になってしまいます。

調剤薬局やドラッグストアなど、店舗数が多い職場であれば年中求人が出ていますが、やみくもに志望するのではなく、福利厚生や通いやすさも含めて職場を探しましょう。これは一般的な転職活動でも一緒です。

ボーナスを受け取ったあと

一刻も早く転職するべき事情がない場合は、現職のボーナスを受け取ってから辞めるのがおすすめです。

配偶者の転勤に帯同するといったケースでは、自分で時期を選ぶことは難しくなってしまいます。しかし、自分のキャリアアップのための転職であれば、金銭的なことを考えて転職時期を決めるようにしましょう。

転職後は給与水準が上がったとしても、意外と出費が多くなりがちです。金銭的に苦しむことがないよう、ボーナスの時期も検討すると良いでしょう。

職場の閑散期

職場のいじめなどで退職する場合を除いて、自分である程度自由に時期を決められるのであれば閑散期に辞めるのも良いでしょう。自分勝手に辞めるのではなく、しっかり後任者に引継ぎを済ませてから辞めるのもおすすめです。

薬剤師は病院やドラッグストアなど色々な就職先がありますが、意外と狭い世界なので転職した先で前職の人に会うことも少なくありません。

その時に嫌なイメージを抱かれないよう「立つ鳥跡を濁さず」の精神で退職すると良いでしょう。

薬剤師の転職にかかる期間は?いつから転職活動を始めたら良い?

薬剤師の転職は短期決戦の場合が多く、平均3週間~2ヶ月の期間で次の職場が決まると言われています。ドラッグストアや調剤薬局のように求人が多い職場であれば、1週間で決まることも珍しくはありません。

そのため、6月のボーナスをもらってすぐに辞めて7月1日から働けるようにする場合は、遅くても5月末には転職活動を始めましょう。

ただし、製薬会社や病院などの求人が少ない職場では、2ヶ月以上の転職活動期間を要することもあります。短期決戦と言っても、絶対に2ヶ月以内に決まるというわけではないので、注意してください。

薬剤師におすすめの転職方法は?成功させるポイントと合わせて紹介

専門業種の薬剤師は、どのように転職活動を行えば良いのでしょうか。おすすめの転職活動の方法と、成功させるポイントを紹介していきます。初めて転職活動をする人も、転職活動を始める前に参考にしてください。

転職エージェントを利用する

医薬品のことは専門家である薬剤師が詳しいように、転職に関してもプロの助言を受けることで効果的な転職活動が可能になります。転職活動の際は、ヘッドハンティングされた場合を除いて転職エージェントを利用するようにしましょう。

転職エージェントを利用すれば、自分では交渉しにくい給与などの条件や面接の日程調整を、エージェントが代わりに企業と行ってくれます。他にも事前に履歴書に不備がないかをチェックしてくれたり、面接の想定質問をもらえたりする場合もあります。

自分が志望する職場に合っている転職エージェントを使うことで、さらに転職の成功確率は高まるので、積極的に転職エージェントを利用しましょう。

薬剤師が転職するなら必ず利用したい好評の転職エージェント

薬剤師の転職では、一般の転職サイトよりも薬剤師向けの求人に特化した転職エージェントの方が効果的な転職活動が可能になります。 薬剤師の転職におすすめのエージェントを3つ紹介しますので、登録して自分に合ったエージェントを見つけてみてください。

薬キャリエージェント

薬キャリエージェント

薬剤師向けの転職サイトで最も利用者数が多いのが、薬キャリエージェントです。もちろんそれに応じて登録求人数も多いので、色々な条件の中から希望する転職先を選ぶことができます。

薬キャリエージェントの特徴は、求人数の多さに加え、エージェントのレスポンスが非常に早く丁寧な点にもあります。日々の業務をこなしながら転職活動をすると忙しくなり時間が切迫しがちですが、薬キャリエージェントなら疑問にもすぐ対応してもらえるでしょう。

事情により今の職場をすぐにでも辞めたい人や、配偶者の転勤が急に決まってブランクを空けずにすぐ転職したい人は、薬キャリエージェントに登録することでスピーディーな転職が可能になります。

ファルマスタッフ

ファルマスタッフ

ファルマスタッフは薬剤師の転職先の中でも、特に調剤薬局向けの取扱求人が多いことで有名な転職エージェントです。調剤薬局の求人はたくさんありますが、その中から希望に合ったものを見つけたい人はファルマスタッフを利用すると良いでしょう。

ファルマスタッフは登録時にエージェントと直接面談する機会があるため、その時までに自分の就職先に関する希望を決めておくのがおすすめです。メールや電話では伝えづらいニュアンスの希望に関しても、エージェントに直接伝えることができます。

もちろん、薬剤師向けの老舗転職エージェントですので、調剤薬局以外の取扱求人も豊富にあります。企業の非公開求人をチェックすることもでき、有利に転職活動を進めることができるでしょう。

リクナビ薬剤師

リクナビ薬剤師

リクナビ薬剤師は転職サポートの大手であるリクルートキャリアを母体とする薬剤師向けの転職エージェントです。このため、求人の質も非常に高いものが多く、少しでも良い条件の転職先を探したい人には登録をおすすめします。

企業としても研修制度がしっかりしているので、転職エージェントの質が高いのも特徴です。単に利用者の希望に応じて条件交渉や面接日程の調整を行ってくれるだけではありません。エージェント側から利用者の動向や今までの経歴を見つつ、合いそうな求人を紹介してくれる場合もあります。

転職はしたいものの、どういった企業に転職したいのか分からないと悩む人も、一度リクナビ薬剤師に登録してみると良いでしょう。エージェントと相談しながら自分に合った転職先を見つけることができます。

薬剤師にとってベストな転職時期に最高の転職をしよう!

薬剤師は国家資格を持っているため、転職活動は一般より有利と思われています。しかし、周りのライバルも全員薬剤師であることが多いので、適当に転職活動をしても望むような好条件の職場には巡り合えないでしょう。

職場ごとに良い求人が多い時期を見計らったり、現職のボーナス支給の時期などを考慮したりするのも、転職活動の重要な戦略の一つです。自分や家族の状況を考えながら、ベストな転職ができるように動いてみましょう。