薬剤師さんの中には「年収を上げたい」「年収1000万円を目指したい」と思っている人もいるのではないでしょうか?
薬剤師にはたくさんの働き方が存在し、年収1000万円を超える方法も存在します。
この記事では、そんな薬剤師が年収1000万円を超える具体的な方法についてご紹介します。
ぜひチェックしてみてください。
目次
薬剤師の年収は1000万円を超える?まずは薬剤師の平均年収を確認
薬剤師の年収は、年齢や性別、職場によって大きく異なる場合があります。
これには、薬剤師がさまざまな雇用形態で働くことが可能な職種であり、その活躍の場が多岐に渡っていることが関係しています。
ここでは、薬剤師の性別・年齢別の平均年収と、職場別の平均年収をまとめていきます。
平均年収
平成30年度の薬剤師の平均年収は543.6万円、男女別では、男性薬剤師の平均年収は約575万円、女性薬剤師は約525万円となっています。
また、年代別の平均年収は、以下のとおりです。
男性 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 350万円 |
25~29歳 | 477万円 |
30~34歳 | 580万円 |
35~39歳 | 654万円 |
40~44歳 | 674万円 |
45~49歳 | 656万円 |
50~54歳 | 682万円 |
55~59歳 | 692万円 |
60~64歳 | 565万円 |
65~69歳 | 468万円 |
70歳以上 | 607万円 |
女性は以下の通りになります。
女性 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 358万円 |
25~29歳 | 459万円 |
30~34歳 | 512万円 |
35~39歳 | 560万円 |
40~44歳 | 581万円 |
45~49歳 | 613万円 |
50~54歳 | 566万円 |
55~59歳 | 571万円 |
60~64歳 | 553万円 |
65~69歳 | 503万円 |
70歳以上 | 362万円 |
(平成30年度 資金構造基本統計調査を参考に算出した数値です)
年収の男女差が大きく出やすいのは、やはり妊娠出産を経験する人が多い30~34歳の年代になっています。
またこの年代以降、男性は管理職や経営者となる人が増えてくるため、年収に男女差が出てきているようです。
職場別平均年収
薬剤師の職場は主に5つあり、その職場によって年収は大きく異なります。
またその職場内においても、役職や店舗によって年収が異なる場合があります。
薬剤師の主な勤務先である調剤薬局、ドラッグストア、製薬企業、公務員、病院における平均年収について、職場ごとに紹介していきます。
調剤薬局
調剤薬局に勤める薬剤師の平均年収は、約450〜600万円です。
管理薬剤師と一般薬剤師の違いや店舗の規模によって、年収に開きがあります。
管理薬剤師の平均年収は773万円、一般薬剤師は474万円です。
また、1店舗経営の薬局では、20店舗以上経営の薬局と比較すると、管理薬剤師の年収は300万円も多くなっています。
一般薬剤師については、2店舗以上経営の薬局であれば、年収はさほど大きく変わらないようです。
ドラッグストア
ドラッグストアに勤める薬剤師の平均年収は、約450〜650万円です。
大手ドラッグストアチェーン店の間でも年収に開きがあり、初任給については30万円の会社が多い中、40万円という会社もあります。
初任給40万円というのは、24時間営業の店舗が多い会社なので、営業時間の関係で年収が高くなることがあるようです。
製薬企業
製薬企業に勤める薬剤師の平均年収は、約650〜800万円です。
研究職や臨床開発職、学術やMR(医薬情報担当者)など、薬剤師の活躍の場は多岐に渡ります。
初任給は他の薬剤師職とあまり変わりませんが、配属後の部署によっては、いずれ年収が1000万円を超える可能性があります。
公務員
公務員薬剤師の平均年収は、約300~600万円です。
地方公務員の薬剤師は、初任給が低く、年収にすると300万円ほどです。
しかし、長く勤務するにつれて年収は上がりますので、公務員薬剤師の平均年収は550~600万円ほどになります。
病院
病院に勤める薬剤師の平均年収は、約400〜550万円です。
病院の規模や種類によっても異なり、診療所やクリニックの方が年収は高くなっています。
これは、診療所やクリニックは薬剤師を1名しか雇わないため、1人薬剤師勤務となることが反映されていると考えられます。
薬剤師が年収1000万円を超えるには?具体的な5つの方法を紹介
これまで紹介してきた薬剤師の平均年収を考えると、年収1000万円を超えるのは非常に難しいように思えます。
しかし、薬剤師が年収1000万円を超える現実的な方法は、大きく分けると5つありますので、ご紹介します。
①薬局を開業し、経営者になる
薬局を開業して経営者になり、管理薬剤師も兼務することで年収が1000万円ほどになります。
管理薬剤師の平均年収は約773万円ですが、中には年収が1000万円になる管理薬剤師もいます。
それは、1店舗のみ経営の薬局に勤務する管理薬剤師です。
1店舗のみの経営の場合、管理薬剤師=経営者という店舗が多く、人件費が削減できるため年収が高くなるのです。
薬局の開業をするにはいくつか方法があります。
- よく知っている医師が病院を開業するタイミングで独立開業する
- 後継者のいない薬局を買い取る
- 独立支援制度のある薬局のフランチャイズに入る
以上が主な方法です。
開業には、店舗用物件を探したり、スタッフの確保、公的な申請といったことも必要になり、様々な準備が求められます。
あらかじめ独立開業のノウハウを学んでおく必要があるでしょう。
②製薬企業のMRになる
製薬企業のMR(医薬情報担当者)は入社10年目くらいで年収1000万円を超えるのが一般的です。
MRは、医療機関に対し医薬品の品質や有効性・安全性に関する情報を提供する、専門性の高い仕事であり、その対価として高収入を得られます。
営業職としての面もありますが、自社製品に関する知識はもちろん、進歩する医療に関する勉強は必須になります。
提供する情報は正確なもので、間違えがあってはならないという責任もあります。
また、自社製品をどの程度採用してもらえたかが給与に反映されることが多く、ノルマを課している会社もあります。
激務とされているMRですが、年収1000万円を実現できる可能性が比較的高い、夢のある職業です。
③役職を上げる
大手調剤薬局、ドラッグストアにおいて役職を上げることで年収1000万円が実現できるケースがあります。
大手調剤薬局チェーンにおいては、自社に認められ役員まで役職が上がると年収が1000万円台になることが多いようです。
そのためには、全国勤務の社員として働くことが必須です。
会社のためであれば全国どこでも勤務できるという姿勢がなければ、会社役員にふさわしい人物として認められることはないでしょう。
ドラッグストアにおいても、店舗を経験した後、本部の運営面で大きくかかわる役職についた場合、年収1000万円が可能になってきます。
また、病院や診療所の薬剤師は、トップの薬剤部長になっても年収1000万円になることはないので、職場は選ぶ必要があります。
④地方×小規模な職場に転職する
地方は都心よりも薬剤師不足が深刻なため、給与額を高くすることで薬剤師を確保していることがあります。
とくに離島や僻地など、薬剤師確保が特に難しい地域での勤務は、大幅な年収アップが望めます。
具体的に挙げると、山陰地方(鳥取や島根)や北海道・九州の一部では薬剤師が特に不足しているため、年収1000万円になる場合があります。
注意したいのは、大手チェーン薬局の店舗だと、地方で人手不足の地域であっても給与は高くならない点です。
地方で高給与で働きたい場合は、小規模な薬局に勤務することを考えましょう。
小規模な薬局においては、大手チェーンよりも薬剤師雇用に苦戦しやすいため、給与額を高くして募集することが多いです。
⑤ダブルワーク
ダブルワークをすることによって、年収を1000万円に近づけることができます。
薬剤師のダブルワークには、 空いた時間で派遣薬剤師として働く、ブログ・サイト運営をする、タイムチケットで副業をする、等があります。
具体的にどのようにダブルワークをするのか、それぞれ詳しくご紹介します。
派遣薬剤師
ダブルワークの形の一つとして、正社員の薬剤師として働くかたわら、空いた時間を派遣薬剤師として働くという方法があります。
派遣薬剤師は福利厚生の面で心配はありますが、その分時給が高く効率的にお金を稼ぐことが可能です。
金銭面だけで言えば、正社員の年収を勤務時間で割って時給にすると、派遣薬剤師として働く方が得であるケースは多いです。
そのため、正社員として別の会社で働き、空いた時間だけ派遣薬剤師として勤務することで両者のいいとこどりをするのです。
たとえば、「平日は正社員として働き、土日は派遣薬剤師として働く」という働きかたもあります。
ただし、薬剤師のダブルワークを禁止している会社も多いため、就業規則をきちんと確認するようにしましょう。
ブログ・サイト運営
自分が運営するブログやサイトに広告を載せることで、広告収入を得ることができます。
本人確認等、広告主による厳密な審査がある場合もありますが、自宅で都合のよいときに仕事ができるため、人気の副業です。
薬剤師であれば、薬剤師としての知識やスキルを活かしたブログやサイトを運営するのもおすすめです。
自分の経験や知識を活かして発信することで、誰かの役に立つことができるというのは、やりがいにもつながります。
特に薬剤師の転職に関するサイトは非常に多く、競争も激しいですが、転職を考える薬剤師はたくさんいるので、需要はあります。
転職だけでなく、同業の薬剤師にむけての情報提供をテーマにサイトを運営するのもおすすめです。
タイムチケット
「薬剤師として様々な相談にのります!」といったタイムチケットを販売することでダブルワークをする人もいます。
タイムチケットとは「自分の時間を売買するタイムシェアサービス」です。
30分単位で自分のスキルを販売できるサービスで、副業として利用している人が多いようです。
たとえば「薬やサプリメントの相談にのります」という内容のタイムチケットを販売した場合、実際に会う必要はありません。
スカイプやライン、メールだけでのやりとりでも良いのです。
タイムチケットの登録はFacebookと連携させて行うため、実名登録となります。
登録やチケット発行はすべて無料ですが、チケットが売れた場合は手数料として、代金のうち27%が売上から引かれます。
薬剤師が年収1000万円を実現する上で利用したいおすすめ転職サイト4選
薬剤師が年収1000万円を超えるためには、金銭面で好条件の求人に出会うことも大切です。
そのためには、専門の薬剤師転職サイトを利用するのがおすすめです。
自分にあった転職ができる、おすすめの薬剤師転職サイトをご紹介します。
薬キャリ
エムスリーという、医療情報専門サイトを運営している転職サイトで、医療業界に強いコネクションがあります。
そのため、病院や製薬会社など、一般的には求人数が少なくて人気のある求人もそろっていると、評判です。
公開求人数は4万件以上です。
独自の薬剤師求人の他にも、同業他社(他の転職エージェント)の薬剤師求人の紹介もできるのが強みです。
サイト登録後、 電話だけでの転職活動が可能なため、忙しい薬剤師も相談しやすいです。
コンサルタントによる電話やメールでの対応が早く、フォローが手厚いため、初めて転職をする人にも向いています。
薬キャリが運営している「薬キャリmama」というサイトでは、子育てと仕事の両立に役立つ情報がのっており、ママ薬剤師の求人検索も可能です。
マイナビ薬剤師
マイナビ薬剤師は、マイナビという人材紹介等を行っている大手の会社が運営する転職サイトです。
公開求人数は5万5千件以上です。
マイナビは、転職者との面談に力を入れており、サポート体制が充実していると評判です。
丁寧にサポートしてもらえるので、特に転職が初めての人におすすめです。
求人は、ドラッグストアや製薬企業の紹介が特に豊富です。
ただし、派遣の求人は紹介していないので注意してください。
また、マイナビ薬剤師はブランクがある薬剤師の復職支援相談会や、転職セミナーなども実施しています。
出産・子育てを経て長期間ブランクがあって復職したい場合や、未経験の業界への転職の場合は、こういったコンテンツを活用するのもよいです。
リクナビ薬剤師
リクルートという、人材紹介等を行っている大手の会社が運営する転職サイトです。
大手の調剤薬局チェーンやドラッグストア、有名企業の求人を中心に紹介してくれます。
公開求人数は3万5千件以上です。
リクナビ薬剤師は、非公開求人が多いというのも評判です。
条件がよい求人やレアな求人は、非公開であることが多いです。
そのため、漢方薬局や製薬系企業など、人気のある非公開求人も紹介してもらえることがあります。
ただし、派遣の求人は紹介していないので注意してください。
コンサルタントとは、基本的に電話やメールでのやりとりなので、忙しい薬剤師も相談しやすいです。
電話やメールのレスポンスも早く、紹介してもらえる求人数も多いので、早く転職したい人にも向いています。
ファルマスタッフ
大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営してきた、調剤薬局とのつながりが強いことで業界でもよく知られている転職サイトです。
公開求人数は5万5千件以上で、47都道府県に対応しています。
サイト登録後は、個別面談をしてから求人紹介となります。
面接サポートもしてもらえるので、初めて転職をする人にもおすすめです。
大手や地方密着型でチェーン展開している調剤薬局だけでなく、個人レベルの小規模の店舗の求人も紹介してもらえます。
また、ファルマスタッフは派遣会社としての機能にも力を入れています。
教育体制、福利厚生も充実している派遣会社を運営しているので、派遣で働きたいと考えている人にもおすすめの転職サイトです。
薬剤師が年収1000万円を超えることは可能!自分に合った働き方で実現しよう
薬剤師の年収は、比較的高いほうではありますが、さほど高額なわけではありません。
しかし薬剤師の活躍の場は多岐に渡り、働き方も選びやすい職業ですので、転職により年収アップしやすい仕事だと考えられます。
転職サイトをうまく活用し、希望に合った給与をもらえる仕事ができるのが理想です。
またネットで副業収入も得やすい時代になっていますから、薬剤師の年収1000万円も以前より実現しやすくなっているのではないでしょうか。
最初から諦めるのではなく、自分に合った形で年収アップできると良いですね。