薬剤師が転職するときに必ず確認すべきアドバイス

薬剤師 転職

この記事では、薬剤師の転職に対するアドバイスをまとめています。

転職でよくある失敗から、失敗しない転職法など、転職を考えている薬剤師さんは、ぜひチェックしてみてください。

薬剤師の転職でよくある失敗

薬剤師 転職

転職を考えている薬剤師さんの多くは「転職したら失敗するのではないか」「うまく転職できるか不安」と思っているでしょう。

そこで、まず薬剤師の転職では、どんな失敗があるのかについてご紹介します(※クリックすると詳細に飛びます)。

失敗① 待遇の良さだけで選んだら、労働条件が悪くなった

薬剤師の転職でよくある失敗の1つに、待遇の良さだけで選んだら、労働条件が悪くなったというものがあります。

「給与が低い」という理由で転職を決断される方は特に、待遇の良さだけに注目してしまう傾向にあります。

もちろん「待遇の良さ」は転職時に最重要視しなければいけない項目ですが、その他の条件にも目を配らないと、良くなった待遇分が相殺されてしまう可能性があります。

待遇が良いということは、求められる責任も重いということを理解するようにしてください。

失敗② できると思っていた仕事が、案外辛かった

他にも、「できると思っていた仕事が、案外辛かった」という失敗があります。

転職する際は、これまでと同じ業務を継続する場合と、異なる業務を行う場合が考えられます。

同じ業務が継続する場合でも、前職と比べ業務量が急激に増加したり、手順が異なっていたりする可能性があります。

前職とは異なる業務の場合、事前に説明を受けた上で担えるかどうか自身で判断します。

しかしながら、自身の見積もりが甘く、想像以上に仕事内容が辛かったという声が多く聞かれています。

失敗③ もともと聞いていた求人内容に相違があった

さらに「もともと聞いていた求人内容に相違があった」という失敗もあります。

これはご自身の不備ではなく、転職先の会社の不備になります。

契約もしくは労働条件が提示されましたら必ず内容を確認し、求人内容と相違がある場合は指摘するようにしてください。

契約や労働条件と求人内容に相違はなかったが、実際の仕事が異なるときには、まずは転職先に労働条件通りの履行を求めてください。

転職先が応じない場合は、契約を破棄つまり退職することも可能です。

薬剤師の転職を成功させるためのアドバイス

薬剤師 転職 アドバイス

薬剤師の転職を成功させるためのアドバイスとしては、自分を棚卸しすることが大切です。

現職の何が不満なのか、どうして転職したいのか、転職することでどうなりたいのか、転職しなければ問題は解決しないのか、転職で譲れない条件は何かなどをきちんと整理しましょう。

アドバイス① ベストな転職先を検討する

薬剤師としての転職を成功させるためには、ベストな転職先を検討することが大切です。

転職先としてどのような職場を選択するのか、どのような業種が選択肢としてありえるのか、情報を収集の上、分析するようにしてください。

STEP.1
現職の良い点・悪い点を洗い出す

まずは、現職の良い点・悪い点を洗い出すことから始めます。

転職をしたいということは、現職において何かしらの不満を抱いているかと思います。

それが自身にとっての現職の悪い点であり、転職先を検討する際の主たる判断基準となるでしょう。

また合わせて現職の良い点も洗い出しましょう。

良い点と悪い点の両方を洗い出すことで、自分の好みなどを再認識でき、本当に転職すべきなのかについても再度考えるきっかけになります。

現職の分析を十分に検討しないまま転職活動を開始してしまうと、次の職場でも満足できないという状況に陥りがちです。

現職のどこを不満に思っていて、転職することでどう改善したいのかを明確にすることで、転職活動を迷いなく行うことができるでしょう。 

STEP.2
転職で譲れない条件・目的を1つ決める

現職の良い点・悪い点を見て、転職で譲れない条件・目的を1つ決めましょう。

転職する際に、転職先に求める条件として1つ譲れない点を定め、転職することで何を達成したいのか見極めることで、転職活動をスムーズに行うことができます。

ここで重要なのは「1つ決める」ということです。

現職に良い点と悪い点があるように、いずれの会社においても良い点と悪い点は存在します。

自身の望む条件全てを叶える転職先は存在しないということを頭に入れておく必要があります。

転職の際には「譲れない1点」を軸に転職先を検討し、その他の点は妥協できるかどうか検討しましょう。

すると、よい求人を逃すことなく、納得できる転職先を見つけることできるでしょう。

STEP.3
転職先の候補を選び、良い点・悪い点を洗い出す

転職の条件を絞ったら、それを元に転職先の候補を選び、転職先の良い点・悪い点を洗い出します。

まず、求人を調べ、転職で譲れない条件1つを元に、転職先の候補を選びましょう。

いくつか候補を絞れたら、転職先について可能な限り多くの情報を収集します。

情報源としては転職エージェントからの情報のみならず、収集可能なら実際に働いている人の声、友人を介しての転職先の評判、ネットでの口コミなどを参考することが大切です。

現職に良い点・悪い点があるように、転職先にも良い点・悪い点が必ず存在します。

そして良い点・悪い点というのは人によって異なるものです。

多くの情報から良い点・悪い点を整理することで、客観的視点および自分の判断基準から転職先を評価できるようになります。

STEP.4
最も魅力的な転職先を選ぶ

収集した転職先候補の情報を総合的に見て、転職したいと思う順に順位をつけましょう。

もし同じくらいの魅力で順位がつけられないAとBという転職先候補が存在する場合は、しっかりと判断基準を設定しましょう。

どういう条件ならAを選択し、どういう条件ならBを選択するのかを明確にさせるのです。

優先順位が高く、最も魅力的に感じる転職先から順にアプローチし、面接などに進んでいくといいでしょう。

面接を通じてわかることもあります。面接官の質問内容から転職先のスタンスを知ることができます。

追加で知りたい情報がある場合は、面接の際に積極的に尋ねるようにしましょう。

これらのステップをきちんと踏むと、自分にとってベストな転職先を検討することができます。

アドバイス② 転職先には、一度必ず足を運ぶ

薬剤師の転職を成功させるために、転職先には、一度必ず足を運ぶようにしましょう。

足を運ぶことで、職場の雰囲気や人間関係を肌で感じることができます。

薬剤師は閉鎖された空間にて勤務することが多く、職場の雰囲気や人間関係は、転職理由の上位にランクするほど非常に重要な要素であり、確認が欠かせません。

転職後勤務する場所が決まっている場合は、職場見学をさせてもらう、もしくはお客さんとして利用してみるのもお薦めです。

大手チェーン店などは転職活動時には配属先の店舗が分からないケースが多く、ある程度エリアを指定したとしても配属先候補が複数ある可能性があります。

その際は、時間が許す限り見るようにし、気に入る店舗があった場合は希望を出すといいでしょう。

アドバイス③ 信頼できる人に相談してみる

信頼できる友人や上司、先輩などに相談することも非常に有効です。

求人内容・面接でのやり取り・転職先の現場確認を経ても、まだ不安に思う点は多いかと思います。

実際のところ、転職してみなければ分からない部分は多くあります。

しかし自分の転職に対するスタンスや、転職先候補への考えなどを第3者に客観的に評価してもらうことは、偏った視点に陥らないために非常に重要です。

自身が心から信頼できる人に悩みを聞いてもらいましょう。

その他、プロのキャリアアドバイザーに相談してみるのもお薦めです。

キャリアアドバイザーは転職業界の動向も踏まえ、あなたの転職に対する考え方や取組み、また転職先候補の評価を詳細に聞かせてくれるでしょう。

アドバイス④ 転職しない方法についても検討する

転職すべきか悩んでいる際には、「転職しないで今抱えている問題を解決できないか?」というのを検討しましょう。

店舗内の人間関係や遠方にある店舗に悩んでいる場合は、転職よりもまず、今の会社内で異動希望を出しましょう。

転職には必ずリスクを伴います。良くなるだけではなく、悪くなる可能性もあることを理解しておいてください。

ボーナスや退職金が減る、年収でみると前職より低い、既存社員との間に壁を感じる、中途採用へ過剰な期待をかけられるというリスクがあります。

その他、転職先の社風がかなり独特、会社内独自ルールが存在し、理解と慣れに時間を要するなども報告されています。

これらの転職のリスクを理解した上で、それでも転職に踏み切るのか、転職せずに現職に留まるのか検討しましょう。

薬剤師の転職Q&A

クエスチョン

薬剤師の転職活動の際によくある疑問・質問およびそれらに対する回答をご紹介します。

転職を検討している際や、実際に活動を行っている間はいろいろと悩みや不安に思うこと、疑問を感じることが出てくるものです。その際に参考にしてみてください。 

薬剤師の転職理由で多いのは?

人間関係や労働環境が悪く新たな環境を求める、待遇が悪く年収アップを目指すといった理由が大半です。

またスキルアップ・キャリアアップを目指し自身が成長できる場を求めるといった理由も多く見られます。

薬剤師の転職理由ランキング1位:人間関係

薬剤師は調剤薬局などの比較的閉鎖された狭い空間で一日を過ごします。

席を外すことができない職場も珍しくなく、合わない人と1日顔を向き合わせるのは誰にとっても辛いことです。

加えて薬剤師の仕事はミスが許されず、ダブルチェック・トリプルチェックは当たり前であり、仕事上も密に絡みます。

合わない場合は余計に心的負担が大きくなります。

また薬剤師は異動が少なく、メンバーが大きく変わることがないため、一度人間関係が悪くなると悪化の一途をたどる傾向があります。

その他、正社員・派遣・パートといったさまざまな雇用形態の人が同一職場内に存在することで、正社員が偉いという上下関係が生まれるケースも多く報告されています。

薬剤師の転職理由ランキング2位:年収アップ

病院の薬剤師の給料は調剤薬局の薬剤師の給料よりもかなり低いことが知られており、特に急性期の大病院の待遇が悪いと言われています。

昇給の幅も非常に少なく、10年勤務しても給料がほぼあがらなかったという声も多く聞かれています。

勤務地によっても待遇に大きな差が見られ、一般的に薬剤師人数の多い大都市圏(東京・大阪・名古屋など)は待遇が低いです。

一方薬剤師の足りない地域では待遇が高くなる傾向にあり、僻地では新卒の初任給が年収600万を超える求人も見られます。

年収が低く昇給も見込めない場合、家族を養う責任を有する方は特に年収アップを目指して転職活動を行っています。 

薬剤師の転職理由ランキング3位:労働環境

労働環境とは、勤務時間、残業時間、勤務日、休日設定&年間休日日数、短時間勤務制度や産休・育休制度などの各種制度の整備などが含まれます。

転職者にとっては、職場と自宅の距離が重要な要素にある場合もあります。

自宅に近く通勤時間が短い職場を望んで、残業がない職場を望んで、短時間勤務ができる職場を望んで、産休・育休制度が充実している職場を望んでという声が聞かれます。

その他、週休2日ができる職場や土日休むことができる職場を望んで転職という方も多く見られます。

中には、常に少なくとも2人以上薬剤師が勤務している環境を望んで、残業時間が1分からカウントされる職場を望んで転職したという方もおり、その理由は千差万別です。

薬剤師の転職理由ランキング4位:スキルアップ・キャリアアップ

店舗の運営責任者であり、従業員の監督と医薬品などの管理を担う管理薬剤師を目指したいが、現在の職場は叶わず、転職を決意される方が多く報告されています。

実際管理薬剤師の求人数は一定数あり、また年収は一般的に普通の薬剤師よりも高く設定されます。

その他、特定の領域の専門知識を有する認定薬剤師や専門薬剤師を目指している場合、人材育成に力を入れている職場に転職される例も多く報告されています。

研修制度やセミナー派遣の可否などがポイントとなるようです。

その他業務内容を変えてキャリアアップを図る際には、調剤薬局→病院などのように業種を変える例も多く見受けられます。

薬剤師は転職サイトを利用すべき?

行きたい職場が明確に決まっている場合でも、転職サイトを利用することをお薦めします。

転職サイトは個人では調べきれないほどの求人で溢れています。

自宅に近い求人や、高収入の求人など、自分の望む求人に出会える可能性が大きいです。

そして企業と関係を持つ転職エージェントが、労働条件や給与の交渉なども代行してくれます。

個人では調べきれないその会社の研修制度や評価制度などの情報も保持していたりします。

また実際に現場に足を運んでいるエージェントもいますので、リアルな現状を聞くことができる場合もあります。

自己分析の段階から履歴書の添削、面談の予行練習などのきめ細やかなフォローも行ってくれ、転職サイトの利用はメリットが多いです。

50代の薬剤師でも転職できる?

結論から言うと、50代の薬剤師でも転職することはできます。

求人数は40代以下と比べてかなり少なくなりますが、経験を積んだ薬剤師であれば、その経験から転職することができるでしょう。

むしろ経験を買われて、アドバイザー的役割を求められるかもしれません。

ただ経験のない業務に応募するのは難しいかもしれません。

一般的に50代は覚えが遅いと言われているからです。

ましてや年上だというプライドの塊でいると、教わるという姿勢が感じられず、新しい職場で人間関係を悪くしてしまいがちです。

50代の転職の際には謙虚な姿勢を忘れず、給与が下がる可能性があることを理解し、多くの業務の視野を広げ、雇用形態へのこだわりも少なくするとスムーズに転職できるでしょう。

薬剤師が転職するなら必ず利用すべき転職エージェント3選

薬剤師が転職を成功させるためには、薬剤師専門の転職エージェントを利用することをおすすめします。

以下では、転職のプロが厳選した転職エージェントを3つご紹介しています。

すべて登録して、最も相性の良かったところをメインに利用するようにしましょう。

もちろん、すべて完全無料で利用できるので、安心してください。

薬キャリエージェント

薬キャリエージェント

薬キャリエージェントは、年間20,000人もの薬剤師が利用し、登録者数が業界No.1の転職サイトです。

薬キャリは、7万人以上の薬剤師が登録している医薬情報サイトm3.comの子会社である「エムスリーキャリア」が運営しています。

求人件数は常時40000万件以上あり、登録当日に最大10件の求人を紹介してくれます。

薬キャリエージェントには、薬キャリmamaという他の転職サイトにはないママ薬剤師向けのサイトもあります。

薬剤師が転職活動をするなら、まず登録すべき転職サイトと言えるでしょう。

ファルマスタッフ

ファルマスタッフ

ファルマスタッフは、東証一部に上場している「日本調剤グループ」が行っている、転職支援サービスです。

55000件以上の求人数を扱っており、全国に15カ所もの拠点があるので、地方に住んでいる方も気軽に利用できます。

また、大手薬局チェーンの日本調剤の教育ノウハウを活かして、登録者や一般薬剤師向けに、e-Learningなどの様々な学習研修も行ってサポートしています。

転職相談に力を入れており、必ず会う姿勢・キャリアアドバイザーの質の高さから、満足度96.8%となっているのも特徴的です

じっくりキャリアアドバイザーと相談しながら、転職活動を進めていきたい人におすすめです。

リクナビ薬剤師

リクナビ薬剤師

リクナビ薬剤師は、人材派遣・紹介サービスの大手「リクルートグループ」が運営する転職サイトです。

薬剤師の求人数は35,000件以上と、国内最大級を誇っています

求人の内容も、企業からドラッグストア、調剤薬局の取り扱いがありますが、大手の会社からの求人が充実しています。好条件の求人が多いのも特徴です。

リクナビ薬剤師の最大の特徴は、スピーディーに転職ができることです。

最短3日で転職可能となっており、専任のキャリアアドバイザーが、本人に代わって情報収集や条件交渉なども行い、転職の手間や時間の負担を軽くすることができます。

転職を急いでいる薬剤師の方に、おすすめの転職サイトです。

マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師は、株式会社マイナビが運営している薬剤師転職サイトです。

マイナビ薬剤師のメリットは、幅広い求人を扱っていることです。

一般的にクリニックの求人は少ないので、クリニック薬剤師の求人を探している人に特におすすめです。

また、マイナビ薬剤師は全国15ヶ所に拠点を構えており、地方の人でも安心して面談サポートを受けられます。

マイナビ薬剤師のデメリットは、派遣の求人を取り扱っていないことです。

転職が初めてで不安な人には、サポートが手厚いマイナビ薬剤師がおすすめです。

薬剤師はじっくり転職先について検討しよう

転職活動を行う際は十分な準備と、一歩踏み出す行動力、そして決断力が成功の秘訣です。

転職前は自分と現職の状況を分析し、転職しようと思ったら行動に移し、転職活動中は十分に情報収集を行い、自分と第3者の物差しで転職先を評価しましょう。

転職が決まったら自分の決断に自信を持ちましょう。そして覚悟を決めてください。

どうして転職を決意したのか、そして転職先でどうなりたいのか明確なイメージを持つことで、失敗することは格段に少なくなるでしょう。